嘘と死刑

 オゾンちゃんのガイドラインには、「人を陥れるために嘘の通報や証言をしたら取引停止に加えて二次創作に対して最も厳しい措置をとる」との内容があります。

 さて、世界を見渡すと、嘘をついて死刑になることは、古代より、そして現在でもあります。例えば、バビロニアのハンムラビ王(紀元前1792年~1750年にバビロニアを統治)が発布したハンムラビ法典には、以下の条文があります。

引用ここから

第1条 ある者(自由人)が、他人を告訴し、「殺人罪」(の罪名)を着せた(死罪にあたる罪で起訴した)が、その罪状が立証されなかった場合において彼を(他人を)「殺人罪」で告訴したる者は<自分も>その同じ罪で、死刑に処せられなければならない。

(中略)

第3条(訴訟事件にあたって)ある者が、偽証によって証言をなしたが(脅迫 されて証言をしたが)、その自分が申し出た言葉を(物証等合理的根拠に 基いて)立証できなかった場合において、それ(この訴訟)が「人の生死 に関与する訴訟の(ような)時にあっては、その者(偽証をなした者)は 殺されなければならないものとする。

引用ここまで

出典:佐藤信夫「古代法の翻訳と解釈(1) : ハンムラピ法典の石柱に刻まれた楔形文字全文の原典その翻訳および解釈の方法について」(山梨学院大学法学論集47巻)

 (楔形文字による文を日本語訳)

 ハンムラビ法典では最初にこのような条文をもってくることにより訴訟の厳正さを示していました。告訴や証言をする者に徹底的に立証責任を負わせていたのです。

 さて、現代において、嘘をついて、死刑になるケースとして、シンガポール刑法の以下の条文があります。

引用ここから

Giving or fabricating false evidence with intent to procure conviction of a capital offence

194.  Whoever gives or fabricates false evidence, intending thereby to cause, or knowing it to be likely that he will thereby cause, any person to be convicted of an offence which is capital by this Code, or under any other law for the time being in force, shall be punished with imprisonment for life, or with imprisonment for a term which may extend to 20 years, and shall also be liable to fine; and if an innocent person is convicted and executed in consequence of such false evidence, the person who gives such false evidence shall be punished either with death or the punishment hereinbefore described.

引用ここまで

引用部分の翻訳ここから

(死刑判決を下させる目的で虚偽の証拠を提供または作成する罪

第194条  死刑判決を下させることを意図して、または可能性を認識して、虚偽の証拠を提供または作成する者は、終身刑又は20年以下の懲役に処し、罰金を併科する。 さらに、そのような虚偽の証拠の結果として無実の人が死刑執行された場合、そのような虚偽の証拠を与えた者は、死刑又は前述の刑に処する。)

引用部分の翻訳ここまで

出典:https://sso.agc.gov.sg/Act/PC1871#P4XI_191-

 シンガポールは、刑法が厳しいことで有名ですが、これは厳正な訴訟が前提となっていることがわかります。このように、嘘をつく者は、昔も今も、死刑宣告を招くことがあるのです。

 なお、日本国では、刑法169条、171条、172条により、偽証や虚偽鑑定、虚偽告訴をした者は、3月以上10年以下の懲役に処せられます。

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